【法語】今月の言葉(6月)

ことば

あの人も この人も つらさを抱えて 今日を 生きている

 私たちは、自分の苦(くる)しみや悩(なや)みには気づきやすいものですが、他の人がどのような思いを抱(かか)えているかはなかなかわかりません。明るく見える人も、元気そうに見える人も、その人なりの不安(ふあん)や悲しみ、寂(さび)しさ、心配(しんぱい)ごとを抱えながら毎日を過(す)ごしています。

 浄土(じょうど)真宗(しんしゅう)では、人は誰(だれ)もが悩みや迷(まよ)いを抱えた凡夫(ぼんぶ)であると教えられます。苦しみのない人と苦しみのある人がいるのではなく、それぞれに異なるつらさを抱えながら生きているのです。

 「あの人も、この人も」と見つめるとき、自分だけが苦しいのではないと気づかされます。互いにつらさを抱えながら生きる者同士(どうし)として出会うとき、尊敬(そんけい)の心が生まれます。その心が、この苦しみの世(よ)を生きる支(ささ)えとなるのではないでしょうか。