BUDDHIST CEREMONY
真宗の仏事
法事の意味と流れ
法事(法要)とは
法事とは、亡くなった人を想い、その方が私たちに遺してくださったことを確かめる場です。
また、身近な人の死を縁として、「私がどう生きるか」を考える大事な時間でもあります。
法事で読まれるお経や『正信偈(しょうしんげ)』、『お文(ふみ)』には生きた教えが説かれています。
法事の次第(順番)
- 伽陀 (かだ) 「先請弥陀入道場」
- 表白 (ひょうびゃく) 法事の宣言文
- お経 (きょう) 『仏説無量寿経』〈休憩〉『仏説阿弥陀経』
- 正信偈 (しょうしんげ) 同朋奉讃 / 念仏 / 和讃
- お文 (ふみ) 蓮如上人のお手紙
- 法話 (ほうわ) 浄土真宗の教えについて
① 伽陀 (かだ)
「先請弥陀入道場」——先ず阿弥陀仏に道場に入ることを請います。
伽陀とはサンスクリット語で「ガータ」、偈頌(げじゅ)すなわち「うた」をあらわします。
② 表白 (ひょうびゃく)
「本日ここに釋(尼)〇〇の〇回忌にあたり……」——「今から法事を勤めます」という宣言文です。
③ お経 (きょう)
2500年ほど前にインドにお生まれになったお釈迦様(仏陀・釈尊)が説かれた教えを、聞かれた人たちが集まって記録し、まとめられたものがお経です。
お経は数限りなくありますが、浄土真宗では、その中でも『仏説無量寿経(むりょうじゅきょう)』『仏説観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』『仏説阿弥陀経(あみだきょう)』の三つのお経(浄土三部経)を大切にしています。
『仏説無量寿経』には阿弥陀如来のすべての人を救いたいという願い(本願)が説かれています。お勤めの最中、「設我得仏(せつがとくぶつ)〜」という言葉が繰り返し聞こえてくると思いますが、48の願を具体的に挙げているのです。その中でも最も大事な願が第18願で、「すべての衆生に阿弥陀の本願を信じさせて浄土に生まれさせたい」というものです。
よくカラオケで一番得意な歌を「十八番(オハコ)」という言い方をしますが、この18願から来ているのだそうです。
『仏説観無量寿経』はお釈迦さまが生きておられたころに起こった「王舎城(おうしゃじょう)の悲劇」という物語が中心になっています。ビンバシャラという王様の息子アジャセが悪友にそそのかされて、王である父親を殺してしまう、というお話です。別の『涅槃経』というお経では加害者であるアジャセの救いを問題にしていますが、『観無量寿経』では父子の間で苦しむイダイケ夫人を私たちと同じ「凡夫」とみて、その救いを問題にしています。
『仏説阿弥陀経』には阿弥陀如来の本願によってひらかれる「浄土」の様相が説かれています。有名な言葉としては、「青色青光 黄色黄光 赤色赤光 白色白光」があります。青い色は青い光を、黄色は黄色い光を放つ——つまりそのままの色で輝くことのできる「いのち」のあり方をあらわしています。
ちなみにお内仏(仏壇のことを浄土真宗では「お内仏」という)の中は浄土の姿を表現しており、お花はこのいのち、同時に浄土の慈悲を表しています。
本来この三部経を全部読誦(どくじゅ)すべきですが、時間の都合上『仏説無量寿経』と『阿弥陀経』の二つのお経をいただいています。ご要望があれば全部読ませていただきます。
④ 正信偈・念仏・和讃
『正信偈(しょうしんげ)』は正式には『正信念仏偈』といいます。これは浄土真宗の宗祖である親鸞聖人が書かれたものです。お念仏(本願)を正しく信じる偈(うた)という意味です。
法蔵菩薩が世自在王仏に出遇い、「私もこの人(仏)のようにすべての人を救いたい(すべての人と出会いたい)」と願い、その願が成就して阿弥陀仏になるという無量寿経の物語と、南無阿弥陀仏の教えの伝統が書かれています。
具体的には、龍樹大士(りゅうじゅだいじ)、天親菩薩(てんじんぼさつ)、曇鸞大師(どんらんだいし)、道綽禅師(どうしゃくぜんじ)、善導大師(ぜんどうだいし)、源信僧都(げんしんそうず)、源空〔法然〕上人(げんくうしょうにん)という三国(インド、中国、日本)七人の高僧が、それぞれの時代、それぞれの国において南無阿弥陀仏に救われ、そのことを縁ある人に伝えられたということです。
和讃(わさん)は、同じく親鸞聖人の書かれたものですが、正信偈が漢文で書かれているのに対し、和讃は当時「今様(いまよう)」といってリズムをつけて口ずさめるように和文で書かれました。
⑤ お文 (ふみ)
『お文』は本願寺8代目の蓮如(れんにょ)上人が書かれたお手紙です。数多くある中で、「末代無智(まつだいむち)」「聖人一流(しょうにんいちりゅう)」などが一般的で、還骨(かんこつ)のお勤めには「白骨のお文」を読みます。ここには人間の命の儚さがうたわれており、「私がどう生きるか」が問題にされています。
⑥ 法話 (ほうわ)
浄土真宗の教え、法事の意義についてお話しします。
